アイ・ラブ・おデブ【完結】
…やだ…やっぱりあの時の…
これじゃあ、まるで…恋人…

ひきつった笑顔を張り付けている、自分の映像をチラリと見ただけで目眩を感じる

慎太郎は小夜の周囲が騒がしくなることなど予測していただろう

いつもなら、紳士的で相手のことを考えて行動する大人な人がどうしてこんなことをしたのか分からない

新作の宣伝になっているとは思えない…

由美子に聞いたが、話をはぐらかされ、答えてくれなかった

運ばれてきたオムライスをゆっくりと口に運ぶ

ふんわりとした卵の優しい味が広がり少し癒されたが、問題が解決したわけではない

向かいに座る仲の良い同期は、にやつきながらパスタを頬張っている

…もう…何よ…
面白がっているんだから…
アンタも社内で噂になる、煩わしさや辛さは知ってるでしょ?

食後にコーヒーを飲み、会社へと戻った

「じゃ!明日はロビーで待ってる」

そう言い残して柏木はエレベーターを降りて行った

こうして会社で噂の中心人物となり、昼食は毎日柏木と過ごす日々が始まった
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