アイ・ラブ・おデブ【完結】
「うん…ちゃんと聞くよ
ずっと…ハルがそうしてくれるのを待っていたんだもん!」
空いていたもう片方の手を遥の手に重ね、鼻水を啜りながら笑いかけた
「ほら!鼻水をかんでから行きなよ!」
いつの間にか慎太郎と並んでいた由美子が差し出すティッシュを受け取り、顔の水分を拭った
二人で温室に戻り、今度は先ほどの椅子を向かい合わせて座った
膝が触れそうな距離に想いを寄せる相手がいる
当たり前のように思えたその距離は、この数ヶ月の間、宇宙の彼方ほどに離れていた
全てを話すと言ったが、どう切り出して良いのか、この期に及んで弱腰になる
…環とのことを話せば、軽蔑されるんじゃないか?
いや…環との関係を話さなければ…前になど進めない
たとえ、軽蔑されたとしても…
さあやのたった一つの願い…僕の本心をさらけ出さなければ…
大きく深呼吸を一つして、遥の言葉を辛抱強く待つ小夜を見つめた
「さあや…もしも…話を聞いて僕のことが嫌いになったなら…
その時は…
その時は、その指輪を捨ててくれて構わない…」
そう前置きしたのは、今度こそ小夜の心が離れてしまう予感がしたからだった
覚悟を決め、環との出会いから全てを包み隠さずに話した
ずっと…ハルがそうしてくれるのを待っていたんだもん!」
空いていたもう片方の手を遥の手に重ね、鼻水を啜りながら笑いかけた
「ほら!鼻水をかんでから行きなよ!」
いつの間にか慎太郎と並んでいた由美子が差し出すティッシュを受け取り、顔の水分を拭った
二人で温室に戻り、今度は先ほどの椅子を向かい合わせて座った
膝が触れそうな距離に想いを寄せる相手がいる
当たり前のように思えたその距離は、この数ヶ月の間、宇宙の彼方ほどに離れていた
全てを話すと言ったが、どう切り出して良いのか、この期に及んで弱腰になる
…環とのことを話せば、軽蔑されるんじゃないか?
いや…環との関係を話さなければ…前になど進めない
たとえ、軽蔑されたとしても…
さあやのたった一つの願い…僕の本心をさらけ出さなければ…
大きく深呼吸を一つして、遥の言葉を辛抱強く待つ小夜を見つめた
「さあや…もしも…話を聞いて僕のことが嫌いになったなら…
その時は…
その時は、その指輪を捨ててくれて構わない…」
そう前置きしたのは、今度こそ小夜の心が離れてしまう予感がしたからだった
覚悟を決め、環との出会いから全てを包み隠さずに話した