アイ・ラブ・おデブ【完結】
「遅れてすみませ~ん!」

皆がスイーツやコーヒーに手を伸ばし始めた頃、遅れて到着したのは凛の父親…皆川だった

大きなオレンジ色の花束を抱え、小夜の前にやって来た

「おめでとう!小夜さん!
ずっと心配してたのに…何もできなくてごめんなさい
こんなに大きな困難を乗り越えたんだ!
必ず幸せになれるよ!」

そう涙ながらに話し、大好きな色の花を渡してくれた

「ありがとう…嬉しいです」

小夜も今日、幾度目かの涙をこぼした

ふと見ると、隅のテーブルでは稲本が背中を丸め、きらりの実家の焼酎を独り寂しく煽っている

皆と話し終えた小夜は一人で近づき、隣に座った

「稲本さん…あたしの選んだ人は認めてもらえませんか?」

ビクッと肩を震わせたが、こちらを向こうとはしない

「あたし…一生懸命に恋をしました
色んなことがあって…なかなか上手くいかなかったけど…

沢山の涙を流して…
みなさんの力を借りて…
ずっと頑固に想い続けて…
やっとここまで来ました

稲本さんから見たらあたしなんて…ヒヨッコの若造かもしれません…
だから…稲本さんのような導いてくださる人に応援してもらいたい…

我が儘かもしれませんが、あたしたちを見守ってくれませんか?
お願いします…」

心を込めてありったけの言葉で気持ちを伝えた
< 1,489 / 1,499 >

この作品をシェア

pagetop