アイ･ラブ･おデブ【完結】

それまで川口とは営業部の歓迎会や忘年会などで一緒になったこともあるが、個人的に親しく話したことはない

相談を受けるような仲ではないはずだ

小夜は川口に違和感を持ったが約束の居酒屋へと向かった

中に入り案内されたのは店の奥の個室だった

引き戸を開け中を覗くと薄暗い照明の下のテーブルにはすでに料理がたくさん並んでいる

…川口さん…あたしのためにこんなにたくさん注文してくれたんだ！

なんて呑気なことを考えていた小夜に
「こんばんはー」
と男の声がした

びっくりして顔を上げるとテーブルの左側には男性が右側には女性が二人ずつ座っていた

部屋を間違えたのかと思い
「ごめんなさい…」
と部屋を出て行こうとすると川口の声が小夜を呼び止めた