アイ・ラブ・おデブ【完結】
教室の中に入ると墨の香りがして、小夜の気持ちをほんの僅かにざわつかせた

3人の部員が、それぞれ机上の半紙に向かい筆を動かしているのが目に入る

「…こんにちは…お邪魔します」

と邪魔にならぬよう小さな声で小夜は挨拶をした

「アッハ~!今日も小夜は元気ないね~
こっちに座って座って!」

この雰囲気に似つかわしくない音量とテンションで由美子は用意してある席に案内した

…山岡さんたら…

小夜は自分が皆の邪魔をしてしまったと心苦しく思ったが、他の3人は笑顔を向けて挨拶をしてくれた

由美子は自分の隣の席に小夜が使えるようにと筆や硯、半紙などを用意してくれていた
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