アイ・ラブ・おデブ【完結】
茜色の思い出
そこには夕日を映す茜雲が空に浮かび、見渡す限りのもの全てがオレンジ色に染まっている
雪が多く降るこの地方の冬は、どんよりとした雲に覆われている日の方が普通だ
今日のようにすっきりと晴れた日は珍しい
目の前の風景に見惚れて歩みを進め、屋上の端まで来た
高いフェンスは錆び、誰も来ない屋上はあちこちに雑草が生えてしまい、あの時とは違う場所になっていた
けれども遠くに見える小さな3つの山や、水の枯れた田んぼは記憶の中の映像と変わらない
隣に立つ遥を見上げると懐かしむように遠くを見つめていた
…遥さんの顔までオレンジ色だ…
そう…あの日も隣にいた男の子の顔も体もオレンジ色に染まっていたなあ…
…男の子…なんて名前…だったかな…
…ル…マル…いや違う…
あっ!…ハルだ!
宮本さんちの…ハルだ!
雪が多く降るこの地方の冬は、どんよりとした雲に覆われている日の方が普通だ
今日のようにすっきりと晴れた日は珍しい
目の前の風景に見惚れて歩みを進め、屋上の端まで来た
高いフェンスは錆び、誰も来ない屋上はあちこちに雑草が生えてしまい、あの時とは違う場所になっていた
けれども遠くに見える小さな3つの山や、水の枯れた田んぼは記憶の中の映像と変わらない
隣に立つ遥を見上げると懐かしむように遠くを見つめていた
…遥さんの顔までオレンジ色だ…
そう…あの日も隣にいた男の子の顔も体もオレンジ色に染まっていたなあ…
…男の子…なんて名前…だったかな…
…ル…マル…いや違う…
あっ!…ハルだ!
宮本さんちの…ハルだ!