アイ・ラブ・おデブ【完結】
…えっ?ハル?
名前が…似ている…
違う…名前が似てるだけじゃない…
この場所、景色を知っているのは…
あのハルだ…

「……ハル?」

繋いだ手に力を込めて懐かしい名前を呼んだ

ゆっくりと見下ろす遥は目尻を下げ、これ以上ない柔らかな笑顔をしていた

「さあや!僕のさあや!」

そう叫ぶと小夜を力強く抱きしめた

遥から伝わる鼓動はドキドキと早鐘のように騒いでいる

「そうだよ!あの日…この夕焼けを一緒に見た…
ハルだよ!」

…そうなんだ…遥さんが…ハルなんだ…
知らなかった…気づかなかった…というよりは…忘れていた
遥さんは覚えていてくれたの?

「は…遥さん…
あんなに前のこと…覚えていてくれたの?」

遥の腕の中に抱かれたまま小夜は心に浮かんだ疑問を言葉にした

さっきまで声が出なかったことなど忘れて…
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