私だけの、不良なヒーロー。
「お父さん、お母さん。あたしと守山とで話したんだけどさ。」
私はえ、と思った。
てっきり陸斗を嫌ってるものだと思っていた。
「うん?何を話したんだ。」
「この状況をひっくり返すには、一つだけ方法があると思う。」
「さっさと言えよ、ちびっこ。」
陸斗はそう言って、テーブルの上に小さなレコーダーを置いた。
「南が親父さんを訴えるの、長年暴行罪で。」
しばらく部屋はシーンとしていた。