私だけの、不良なヒーロー。



「じゃ、これですべてが終わりましたので」




弁護士はそう言って書類に印鑑を押して、私に片方、父に片方を渡して、立ち上がった。





「私はこれで失礼いたします。南さん、何かあったら私に電話を。じゃ」





私はうなずいて、父のほうをみた。






父は私を睨んでいて。







けれども、今回は怖くなかった。







私は父を睨み返して、立ち上がった。







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