私だけの、不良なヒーロー。





そして、はっとした。




母は私を助けなかった、のではなく。



助けることができなかった、のだと。







私は背けていた顔を母に向け、言った。






「あたしはお母さんをすぐには許せない。」







母はそんな私の言葉にうつむいた。

そして私は続けた。






「でも、いつかまた話せる日が来たら、いいね。」





母ははっと顔を上げて、涙を流した。









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