私だけの、不良なヒーロー。
「どうなんだ。」
「あ、まだちょっと痛い、かな...」
おずおずと返事をすると、彼はため息をついた。そして私の机に手を付けて少しかがんできたかと思うと、低い声で言った。
「休め。」
「へ?」
なんのことか分からずまたおろおろする。
「だから、休め、体育。」
そう言われて、私ははっと黒板のほうをみた。一時間目、体育だってことすっかり忘れてた。
そう思って彼に視線を戻した。
「分かったな。」
それだけ言って、彼は自分の席に座り、あさってのほうを向いた。