私だけの、不良なヒーロー。
「ただいまー」
その日はお昼にたまたま食堂で彼の隣に座ることができ、ぺらぺらと好きな音楽のことしゃべる私に彼は一言も言わなかったけど、
たまにうんとうなずいてくれていたことに、
私はあまりにうれしくてそのことばかり思っていた。
「お帰りなさい」
奥から母の声が聞こえて、私はふわふわした気持ちのまま居間へと入った。
「学校どうだった?」
「んー?」
そう答えになっていない答えをしてテーブルについた。