私だけの、不良なヒーロー。




彼は私の前で止まって、頭を掻きながら私を見下ろした。





「はえーな。今来たのか?」





そう声を掛けられてはっとわれに返る。




「あ、うん、今来たところ。」





「そうか。」




彼はそう言って辺りを見回した。






「映画までまだ時間がある。何か食べていくか?」






「あ、うん。」






「来い。」






そう言って彼はきびすを返して歩き出した。

私もあわててついていった。




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