私だけの、不良なヒーロー。
私は彼を見上げると、すぐに目をそらした。
あまりにも優しい彼の目を見ていることが出来なかった。
「出かけることも、友達の家に泊まることも、好きな漫画を読むことも、全部だめだって。勉強してなきゃだめだって、言われてて。」
そう言いながら私は首を掻いた。
手を下ろしたそのとき、彼は私の手首をつかんだ。
「え?」
思わず顔を上げると、彼の顔が強張っていることに気づいた。
「なんだ、これは...」