私だけの、不良なヒーロー。
守山陸斗は怒鳴りながら父に襲い掛かって、私から離れさせた。
その衝動で私は思いっきり床に倒れこんだ。
「げほっごほっ」
どこか内臓出血でもしたのか、咳をすれば口から血が飛び出した。
彼は私の前に立って、父を睨んだ。
「何だね、君は、勝手に人の家に入ってきて!!!」
父は怒鳴って私に近づこうとしたけど、守山くんはその前に立ちはだかった。
「南に近づくな」
低くて震えている声からして、彼がかなり激怒していることが分かる。