私だけの、不良なヒーロー。




少し朦朧とする頭で私は。


あ、名前呼ばれた、なんてのんきなことを思った。




「自分の娘に近づいて何が悪い!!」




父はそう怒鳴って彼に飛び掛った。




あーあ、そんなことしちゃやばいのに...と思ったとき、





父の体が思いっきり後ろへ飛ばされたのが見えた。





母の「きゃぁ!!」とした叫び声と同時にガシャーン!!と言うガラスの割れる音が重なった。





父はうなって起き上がろうとしたけど、怪我したのか、腕を押さえて座り込んだ。








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