私だけの、不良なヒーロー。





その姿を確認して、守山くんはしゃがんで私を抱きかかえた。






無理やり体を動かされて、思わずうっとうなった私に、



「わりぃ」




と彼は小さな声でつぶやいた。




そして、ゆっくりと居間から出て行こうとした。




父はその姿を見て、あわてて叫んだ。





「おい!!南を連れて行ったら誘拐犯で訴えるぞ!!」









彼はそれを無視して私のカバンをつかんで、家を出た。










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