ズット、一緒……。
 あなた誰?なんであたしの姿してんの?あたしの体、返してよ!!

 精一杯そう訴え掛けてみたけど、自由に動かない口じゃ無駄な足掻き。

「朝ご飯の前に顔を洗わなくちゃね……あなたの顔も洗ってあげるわ」

 ……え?やだ、そんな事しなくていい!!

「さぁ、お顔洗いましょうねぇ」

 蛇口から流れる水が滝の様に見える。

 ――ッがぼ……ぐ……ッ息が……出来な……

「ああ、髪の毛が濡れちゃう」

 ぐいっ、と髪の毛を一気に上に持ち上げられる!!

 痛い!!痛いってば!!そんな持ち方したら髪の毛抜けちゃう!!








「……いっその事、頭取っちゃおうか……?」

 い、いや……やめて……。

 きゅきゅ、とためらいもなくあたしの首と体を引き離そうとする大きな手。

 ――痛い!!お願いやめて!!死んじゃう!!やめてええぇ――――!!

「……あなたが昨日あたしにした事よ。あたしがどんなに“痛い”って言っても、あなたはやめてくれなかったじゃない」




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