赤い恋
「今日はなぁー。転入生を紹介するぞー」
皆、噂で結構知ってるはずなのに
先生の発言で、ざわめきはじめた。


「篠原さん、転入生かっこいいらしいよー!」
前の席の…確か、山田沙也加が私に話かけてきた。
…前向いてほしいなぁ。
前々からこの子は、好きじゃない。
いちいち、うるさいから…

それでも私は彼女に返答する。
「へー…そーなんだ」
「興味ないの?」
「別に…」
「あ、そーだよね。篠原さんには、シグレ君いるもんね。いーなぁ…あんなかっこいい彼氏」

は?
彼女が言った最後の二文字に
聞き覚えがなくて唖然となった。

「私、彼氏なんて…」
…彼氏なんていない。
そう言いかけた時、教室の扉が威勢よく開いた。

「彼が、その転入生だ。名前は…」
彼は先生が話しているのをさしおいて
「八神 優斗。よろしく」
と、だけ言った。


「席は、そーだなぁ…篠原の隣だ」

はあー?
よりによって私の隣かよ…

八神の見た目は、茶髪に長身。
顔は整っている。
シグレもかっこいいけど、同じくらいかっこいい。
シグレ同様、こいつもモテるだろう。

モテる奴は嫌いだ。
ひがみとかそうゆうのじゃない。

私も自分で言うのはどうかと思うが、結構モテる方だ。

中学生の時は、好きでもない男子に好意を持たれる事は、別に嬉しくもなければ嫌でもなかった。
告白されたら
ただありがとうと言っていた。

でもそれは周りの女子の反感をかうことになった。

「1人にきめなよ!」
別に好きな人なんていないのに、1人を選ぶなんてできない。

「シグレくんいるのに、最低」
はぁ?付き合ってないし。





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