赤い恋
と、言うか…
シグレか彼氏なら、シグレをとる。
なんの迷いもなく…


なんでかな…?
シグレを好きになった事はない。
でも、シグレを放ってはおけないんだ。


なにより、シグレは弟みたいなものだから。




こんな長い事いて、好きにならない自分もどうかと思うのだが…
やっぱりシグレはどこか違うんだ。


ドキっ

あの、恋特有の胸の痛みを感じた事はなかった。






キーンコーンカーンコーン…


チャイムが校舎いっぱいに鳴り響く。
この音はいつもより大きく聞こえた。



チャイムと同時にクラスの女子がこっちへ走ってきた。
目当ては、私じゃなくて…私の隣の八神。


「八神くんっ!高田明日香です!」
「私は坂田夢」
「あたしがぁ、栗原美波」
「どこからきたのー?」
「彼女いるー?」
…すごい人気だ。

「え、と…高田さん達よろしくー」

あの、スマイル王子八神も顔がひきつっている。



「すごい人気だねー。なんか悔しいーっ」
横を向くと、シグレが立っていた。

昨日までこの女子達はシグレの話でつきっきりだった。

「私は絶対シグレの方がいいけどなぁー」
「お!アオちゃーん!ありがとー」

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