赤い恋
なんか、シグレの事なのに自分の事のようで悔しくなり、
私はわざと大きな声でいった。


シグレは笑いながら、ほっぺにキスをしてきた。

「ちょっとー!やめてよ」
私はあまり抵抗しない。
だっていつもの事だから。

でもその瞬間…
「キャーーーッ!」
そのシーンを見ていた女子が悲鳴をあげた。

「今…篠原さんのほっぺに佐々倉君がキスした!」


皆の視線が私たちに向けられる。


「えと、あの…いつもの事だから。気にしないで?」
私の発言で、よりいっそう騒がしくなる。
「まぁまぁ。みんなー。俺ら幼馴染なんだから」
シグレの発言で皆なるほど、といった顔で頷いていた。

それでも教室のざわめきはとまらなかった。

すると、急に八神が立ち上がった。
「あ!俺、アオバに校舎案内してもらうんだったー」

はあ?
そんな約束してないですけど…?


と、言おうとしたのに。
八神は私が口を開く前に、私の手をとって教室の外へと引っ張り出した。
< 6 / 11 >

この作品をシェア

pagetop