永遠を繋いで
ぱちりと目を開ければ、辺りはもう真っ暗だった。
つけっぱなしだったはずの電気も消えていて、窓からの月明かりだけがぼんやりと部屋を照らしている。
いつの間にか、眠ってしまったようで時刻は深夜をまわっていた。明日は休みだからいいか、と起こしかけた上半身を再びベッドに沈める。
思ったよりも近くに茜くんがいて、その無防備な綺麗な寝顔にどきりと心臓が跳ねた。いくら大人びていても寝顔は年相応に幼い。
この寝顔を見るのはもう何度目だろう。同じベッドで眠るのはもう自然なことになっていた。
繋がれたままになっていた手をなんとなく見る。もしかしたらなんて淡い期待を抱いてみるものの、まだそこには何もない。
これも、何度目になるだろう。
少しだけ動かすと茜くんが身じろいだ。起きてしまったのか、ぼんやりとあたしの目を捕らえる。
「せんぱい、おきるの?」
「ううん、もう一回寝る」
「ん、」
舌足らずな子供のように話すのが可愛くてくすりと笑えば、寝ぼけたようにすり寄ってきた。
顔にかかる髪を梳くように払うと気持ちよさそうに眠たげな目を更に細める。
愛しい、とはこういうことだろうか。茜くんといると胸のあたりがぽかぽかとする。
安心、する。
同じ気持ちであってほしいと願うのは、勝手なことだろうか。
あたしはまだ気持ちを伝えることをしていない。涼太のことをはっきりさせてからにしたいと、そう思っているからだ。
茜くんはこの関係はやはりもどかしいのだろうか。待つ、とは言っていたけれど本人から直接言われたわけではないのだから。
けれど焦ってほしくないのが正直なところで。
もう少し、もう少しだけ、待っててね。
中途半端ではちゃんとした気持ちを伝えられないから。
ぎゅっと手を握り直せば、茜くんもそれにこたえてくれたような気がした。
つけっぱなしだったはずの電気も消えていて、窓からの月明かりだけがぼんやりと部屋を照らしている。
いつの間にか、眠ってしまったようで時刻は深夜をまわっていた。明日は休みだからいいか、と起こしかけた上半身を再びベッドに沈める。
思ったよりも近くに茜くんがいて、その無防備な綺麗な寝顔にどきりと心臓が跳ねた。いくら大人びていても寝顔は年相応に幼い。
この寝顔を見るのはもう何度目だろう。同じベッドで眠るのはもう自然なことになっていた。
繋がれたままになっていた手をなんとなく見る。もしかしたらなんて淡い期待を抱いてみるものの、まだそこには何もない。
これも、何度目になるだろう。
少しだけ動かすと茜くんが身じろいだ。起きてしまったのか、ぼんやりとあたしの目を捕らえる。
「せんぱい、おきるの?」
「ううん、もう一回寝る」
「ん、」
舌足らずな子供のように話すのが可愛くてくすりと笑えば、寝ぼけたようにすり寄ってきた。
顔にかかる髪を梳くように払うと気持ちよさそうに眠たげな目を更に細める。
愛しい、とはこういうことだろうか。茜くんといると胸のあたりがぽかぽかとする。
安心、する。
同じ気持ちであってほしいと願うのは、勝手なことだろうか。
あたしはまだ気持ちを伝えることをしていない。涼太のことをはっきりさせてからにしたいと、そう思っているからだ。
茜くんはこの関係はやはりもどかしいのだろうか。待つ、とは言っていたけれど本人から直接言われたわけではないのだから。
けれど焦ってほしくないのが正直なところで。
もう少し、もう少しだけ、待っててね。
中途半端ではちゃんとした気持ちを伝えられないから。
ぎゅっと手を握り直せば、茜くんもそれにこたえてくれたような気がした。