私だけの俺様王子
「それで、愛羅ちゃんに出会った。」


私に?


私はずっと反応できないまま、来夏の話を聞くだけだった。


「愛羅ちゃんはサバサバしてて、強気な子だなって思ってて・・・。」

ははは。そりゃあね。男嫌いだったし・・・。


「でも、いつしか憧れになってたんだ。」


え!? 幼稚園児でそんなこと考えてたの!?


「ほら。愛羅ちゃんってずっと恭くんと一緒だったでしょ?」


「あぁ。うん。」


確かに・・・。


私はずっと、幼稚園児のときは恭ちゃんとばっかりいた。


大人の間では未来の婚約者的な噂もされていたらしい。


子供のときからそんな話を・・・。



大人ってバカだね。



「だから、あの人たちと仲よくなりたい。って思うようになったから・・・。声、かけたんだッ」


満面の笑みで言う来夏は輝いていた。


「これからもよろしくねッ!愛羅ちゃんッ♪」


来夏・・・。




「うんッ!」
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