7days

「ってことは、姫は未来が分かるのか?」

「ええ。それで、あなたたちが代わりに来ることも、婚約式があることも分かったわ」


姫は得意気に言った。


「俺とコハルが城を出たのは、あの王子を─そしてこの海界を守るためなんだ」

「王子って、今日の婚約式の相手か?」



「そうだ。俺たちが城を出る2日前──コハルは夢を見た。

夜の光が不気味に輝いたとき、それを見てしまった王子が呪いにかかってしまう、という夢だ。」

「事実、王子は翌晩に呪いにかかってしまったわ。
それは刻々と王子の命を削り、王子に死が訪れたとき、この世界にも死が訪れる、というものよ。」

「そこで俺たちはなんとかそれを解こうと、ここ、旧祭殿に来たんだ。ここは古くから魔術を頻繁に使われる場所なんだ。だからまだ魔術道具だのなんだのと残っているんだ。」


姫はふぅっとあきれた顔をした。

 
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