シンデレラとバカ王子
夢のあと
夢から覚めるって言うのはホントに一瞬のこのことだって聞くけど、本当に一瞬で覚めた。

いつ眠ったかも分からないくらい、疲れることをしたことだけは自分の恰好を見て嫌でも思い出す。
隣を見ると、王子様が眠っている。

お互いの体は色んなモノでドロドロしている。

ベッドサイドの時計を見ると、朝の9時を回っている。

今日、お花屋さんが休みで良かった。

とりあえず、帰ろう。このままここにいたら、この馬鹿王子の国にまで連れていかれそうだ。

物音を立てないように、ベッドからおりて、シャワーを適当にあびて服を着た。

髪を頭の後ろで結って、ホテルのスタッフですよ。みたいな顔で、ホテルを出てきた。

今度こそ、自分に繋がるモノは残してきていない。

さよなら。王子さま。
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