シンデレラとバカ王子
大学の奨学金を払うために始めたキャバ嬢が性に合うと、大学を卒業と同時にキャバ嬢になった。

頭も良くて話し上手な奏姉ちゃんは、あっという間にNo.1になった。

このバイトも奏姉ちゃんの紹介だ。

口先と手先が起用な私は、たまにお姉さん達の髪を結い上げることもある。

「二十歳になったら灰音もキャストになると良いわ。きっとNo.1になれる」

「無理だよ。理さんみたく胸ないもの」

理さんのFカップを見つめる。

「バカね」

鏡の中の奏姉ちゃんが優しく笑った。

「灰音に最初に言うわ。私、もうすぐ結婚するの」

「本当!」

奏姉ちゃんが小さく頷いた。

「だからもうすぐ店を辞めるの」


「普通の奥さんになるの?」

「うん。専業主婦して、お母さんになるわ」

「奏姉ちゃんの夢が叶うね」

奏姉ちゃんの夢は普通の奥さんになることだ。
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