シンデレラとバカ王子
店長に頭を下げられたら断る訳にはいかなかった。

未成年なのに働かせてくれるし、女なのにホールの仕事をさせてもらってる。

キャバクラの店長をさせているには勿体ないくらい、良い人だ。


「じゃあこのまま行ってきます」

一体どんな物好きだと、興味もあった。

マネージャーに案内されて、テーブルの前に立った。

「お待たせいたしました。ハイネです」

と紹介された。

一礼して、頭を上げて相手の顔を見て、ざわついた理由が分かった。

「あぁ」

あのテレビに映ってたどこぞの王子だった。

なぜ、王子さまがこんな(こんなって言ったら失礼だけど)キャバクラに来てるんでしょうか?そしてなぜ、私を指名?

どうしてと何故が頭の中を回っている。

「座ったらどうだ?」

と言われて、失礼しますと隣に座った。お姉さんたちの真似をして

「えっと、何になさいますか?」

「何でも良い・・・。シャンパンでも入れたほうが良いのだろうか?」

「いえ、お好きなもので・・・」

まぁ、キャバクラじゃシャンパンぐらいじゃないと王子様は満足できないと思うけど。

ボトルとかは面倒なので、グラスのシャンパンを頼んだ。

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