ナンバー09 〜奇跡の恋の物語〜


『そ…そうなんだ。
って、幼稚園の頃から好きなの?
迷子ちゃん、何歳よ?学生さんでしょ?』

少し、驚いたような声を出す
電話の"カナトさん"。

ちょっと勢い良すぎた?


「高1です!16。幼稚園の時に見た
「レッツ!」ってドラマで凄く見入っちゃって。
まだ、演技とか分かんないような歳だけど、
なんか惹き込まれたんです…。
それ以来カナトさんの出てるドラマはずーっと見てて。」


あ…また、勢いよく喋ってしまった。

しばしの、沈黙に後悔の念が押し寄せ
たまらなくなった頃…

"カナトさん"が言葉を発した。

『そうなんだ。
こんど、映画するみたいだね。』


!!!


…おおぉ。
なんて、詳しいんだ。

こんどは、映画初出演で
初主演!しかも
一人2役の、また難解な役柄。

「詳しいんですね!!
"カナトさん"も、カナトさんの
ファンなんですか?
男の人からの支持も、
相当多いですよね、カナトさんって。
って…。
なんか、変な感じします。」

"カナトさん"にカナトさんの
話をしてたら、
訳が分からなくなった。


『はははっ。
俺も、ワケわかんないよ。』

そう言って、"カナトさん"も笑った。
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