ナンバー09 〜奇跡の恋の物語〜
「それではスタンバイの方お願い致します。」
花井アナに促され、カナトさんが
ステージの方へと歩いていく。
う、嬉しすぎる!
ずっとカナトさんが歌手デビューしたら…
と、願っていた私にとって
本当に願ったり叶ったりな展開だった。
「あ!録画しなきゃ!」
慌てて録画ボタンをおした。
あぁ…私としたことが。
出てきた瞬間録画すればよかった。
若干後悔する私をよそに、
カナトさんの曲が始まろうとしていた。
「それでは、どうぞ!」
私は慌てて、テレビの前に座り直した。