ナンバー09 〜奇跡の恋の物語〜
那菜の予想どおり、私は大丈夫ではなかった。
もともと、迷子癖のある私。
かなり広くて複雑な校舎。
しかも生物室と教室は棟が違う。
最近やっと、覚えてきたけど
今は焦りと、不安で訳の分からないまま
校舎のどこかを走っていた。
「……。」
周りを見渡すが、
授業開始が近いからか
廊下には人影がない。
「…教室、どこ?」
その前にここは、どこ?
どうしよう…。
このままでは授業に
間に合わないかもしれない。
私は思わず、那菜に電話した。