ヴァムピーラ
「あの、母が何か・・・?」
「ミウって言ったら、貴女・・・私達の憧れよ」
「え」
「今でも越えられない壁って言ってもいいかもしれない。まあ、今は近くにライバルがいるからあれなんですけど」
「?」
「あれー?栞、それって私のこと?」

 その人が入ってきた瞬間、目の前が光に包まれたのかと思った。

「怜愛(れいあ)!」
「ふふー」

 入ってきたのは、プラチナブロンドのストレートの髪を腰まで流した美女だった。

「っ」

 その人を見た瞬間、なぜか心臓をつかまれたように胸が苦しくなった。


「この可愛い子は誰?」
「レアー、この子はカノンちゃんよ」

 笑顔で紹介するコータさん。怜愛と呼ばれたその美しい人の、金色の瞳に見つめられた瞬間、息が止まった。

 なに、この人・・・

 何か、私の中にあるものがざわめくような感覚。
 こんなのは、初めてだった。
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