ヴァムピーラ
コータさんはくねくねと身体をくねらせながら、
「あのミウの娘さん?!きゃあああっ、凄いそっくりぃ!」
「はは、コータ、それくらいにしてあげて。カノンちゃんびっくりしてるから」
「ひできちゃん、じゃあ、この子もモデルになるの?!」
河島さんは笑顔で首を横に振った。
「いや、この子は撮る方の子だよ」
「えっ」
「カメラマン志望なんだって」
「えええええっ、もったいなーいっ」
「でも、カノンちゃんは撮る方が好きで、随分素敵な作品を残しているらしいから、それを取り上げちゃった方がもったいないだろ?」
「そっかぁ」
河島さんは私を見て、
「それじゃあ、私は仕事をしてくるね」
「あ、はい」
「ここでコータと一緒にいて」
「わかりました」
河島さんは颯爽と、スポットライトが置いてある場所へと歩いていった。
その堂々とした姿があまりにも格好良くて、一瞬見とれてしまった。
「カノンちゃんっ」
「うわぁっ、はいっ?!」
コータさんはむふふっと笑って、
「こっちこっち、椅子があるから」
「あ、はい」
コータさんに案内されて、部屋の隅のテーブルについた。そこにはメイク道具や、たくさんの衣装があって、ごたごたしていた。
そして目に付いたのは、綺麗に着飾った綺麗な人達。