一般人になるまで
「ねぇ、一緒に遊びましょ!」

きっと私の周りにはたくさんの人がいるから、話しかけようにもかけられないんだわ
そう思った私は、彼女に声をかけた
でも彼女から返ってきた言葉は私にとっては驚愕だった

「いや」

ただ一言
今まで私が誘って、断る人なんてまったくいなかった
私がわざわざ誘っているにも関わらず、それを断るなんて、と驚き、そして怒り

次の日、
彼女を校舎裏に呼び出した

「私のこと嫌いなの?」

単刀直入に、彼女に聞いた

何言ってんの由紀ちゃん、そんな人いるわけないじゃん
昨日は用事があったんだ
由紀ちゃんが良ければ、今日遊べる?

それが私の期待した答え
人はその期待に答えなければならない
そう信じて疑わなかった

「うん、大嫌い」

彼女は
確かにそう言った
初めて言われた言葉
暫くの沈黙

何か言わなきゃ何か言わなきゃ――
頭が真っ白で、言いたいことが纏まらない

「ど、どうして…?」

カラカラの喉から無理やり声を出した
かすれた声が裏返りながら出る

「だって、みんな岸谷さんのご機嫌とりばかりして、私はクラスの女王ですって感じが気に食わない、ただそれだけ」

彼女は昨日のテレビの話をするように、言った
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