一般人になるまで
それから暫くして、学校でいじめが行われ始めた

いじめの対象は


ある日、学校に行ったら机がなかった
廊下に投げ出されていたのを発見した
机には、大きく『人殺し』と書かれていた

「玄関とお揃いじゃない」

ぼそりと呟いた言葉に返してくれる人は誰もいなかった

徐々にその行為も悪化していき、持ち物はなくなる、身体中に痣ができる
机に限っては、バリエーション豊富で
廊下に出される、落書きされる、雑巾まみれになる、中が虫の住処になっている、枯れた花が置いてある
よくもまあこんなに思いついたものだと些か感心したくらいだ

罵声はだいたい
『人殺し』

私は人殺しだ

その事実が心に深く突き刺さる

だから、何度も何度も謝った
私が悪かったわ、許して、許して頂戴、ゆるして、ください、

許して貰うために
彼女と同じ場所
学校の屋上から飛び降りた
運悪く、花壇の上に落ちて土がクッションになって助かった
母に死ねば良かったのに、という目をされた

もしかして
死んだらみんなから喜ばれるのではないだろうか

私が死ねば
みんなは幸せなのだ

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