一般人になるまで
学校から一番近いゲームセンターに入るて、この世の物とは思えない煩さである

拓人や佳奈がはしゃいで叫んでいても全く聞こえない
本来、煩い所が苦手な由紀は終始しかめっ面である

ジェスチャーで、プリクラ機の方を指す佳奈について行けば、多少は静かになった

「…ゲームセンターって初めて入ったわ」

「「マジで!?」」

二人して大袈裟な…
こんなに煩い所、行く必要が見当たらない

「じゃあ、人生初プリ?」

「はつ…ぷ?何?」

「ぶわっはっは!由紀ってば初プリも知らねぇのかよ!」

「ぶっ殺す」

※初プリとは、初めてプリクラをとることである

「へぇ…そうなの、ふぅん、じゃあその、初プリ?とか言うのやりましょう」

「由紀は今どき珍しい女子高生だねー」

三人でじゃんけんをして、負けた拓人が全額を奢る
そのあと佳奈は手慣れた様子で、さっさとモードを選んでいく

くっきりだとか、デカ目だとか美白だとかよく分からない単語が次々と流れるのを由紀は食い入るように見ていた

いきなり、ポーズをとってねと言われ、慌ててピースすれば、目が半開き

「やだこれ、私目が半開きじゃない!」

「あーはっはっ、お前、ひーこの顔…ッぶふっ」

拓人は腹を抱えて笑っているし、佳奈も笑いをこらえるように、後ろを向いている

拓人を思いっきり殴ったら、そこが撮られていて、今度は由紀が爆笑した

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