薔薇刺青
ああでも嬉しかった。
どうあっても最終的に捨ててはくれないのですね。
光栄です。
薔薇の茨がまるで鎖のようだ。
鎖で繋いだ故に互いに離れられない、なんて、重過ぎますかね。
そんな意図ではなかろうとも、ええ、非常に嬉しくてニヤニヤが止まりません、いかんいかんいかん。
「なにを笑ってる」
「いえ、嬉しくて」
「大丈夫か」
「はい。
主に殺されるなら本望ですよ」
「変な女」
「なにをいまさら。」
「献身的なのは結構だが自分をもう少し大切にしては如何か」
「暇があれば、そうさせていただきます」
取り敢えずあなたが幸せならそれでいいです。
きっと
我が主は死よりも不幸に依存する賢者なのでしょうから。