大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】

ゆったりとした内装の作りは送ってもらった前回と変わらないが、どちらかと言うと高級と言うよりもスマートでお洒落な感じのする車だ。

車は静かに走り出す。

「悪かったな、今日は日曜日なのに。」

西園寺はステアリングを握って前を向いている。

「いえ、大切な時ですから。」

由香里は助手席に座ったもののどうして良いか分からず体を固くしたまま手をぎゅっと握った。

「それに……今日で終わりですから。」

そう、この件が落ち着いたら由香里は営業部に戻される。

あれから西園寺に何か言われた事はないが、玲子からやはり綾瀬が新しく営業チームを作ることになったと聞いている。

きっと自分もそこに呼ばれるのだろう。

あんなに戻りたかった営業職なのに今はこんなに悲しい。

由香里は真剣な顔でステアリングを握る彼の横顔をじっと見つめていた。