大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】

由香里と西園寺が鈴木家のエントランスに到着すると直ぐに家の中から若い男が出てきて丁寧に挨拶をしてきた。

「いらっしゃいませ、西園寺様。」

彼は中で鈴木が待っている事を告げると西園寺から車のキーを預かる。

「車は移動しておきますので、御帰りの際にはお言いつけください。」

由香里が茫然としているうちに彼はさっさと車に乗り込み去っていった。

「何をしている？　行くぞ。」

由香里は促されてその大きな玄関を見上げる。

門をくぐってエントランスに着くまでも車でしばらく走ったほどの広大な敷地。

さまざまな美しい石像と花々を配置した庭園とともに、それに負けることなく優雅にたたずんでいる大豪邸。

まるでどこかの美術館の様だった。

西園寺に促されて家の中に入ると既に鈴木と玲子が着物姿で２人を出迎えてくれた。

由香里と違い鈴木も、玲子も着慣れているのかとても優雅に着物を着こなしている。

自分では大人っぽくなったと思っていた由香里だが玲子を見るとそれも間違いだった事がよくわかる。

そんなに迫力の美男、美女が揃っていた。