大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
彼らを伴って由香里たちが茶室に戻ると、その場にいた鈴木を除く全員が息をのむのが分かった。

古田専務など顔が青ざめている。

州知事はにこやかに笑顔を作って茶室に入るとその場にいる全員に向かって挨拶をした。

「こんにちは、剛の友人のアール・ブラウンと言います。」

州知事は流暢に日本語で挨拶をしてペコリとお辞儀までした。

それに反応したのは日本人よりもアメリカ人の彼らだった。

「Oh,Our governor?」

「Why are you in such a place?」

その後、州知事の前に進み出ると早口の英語で話始め彼に握手を求める。

州知事の隣にいた西園寺もそのまま英語で話に加わりしまいには男3人で笑い合っていた。

「あんな事をされてしまっては、こちらは何もできないじゃないか。」

いつのまにか由香里が座っている隣に移動してきた斉木が彼女にそっと囁いた。

「……やっぱり何かされてたんですね?」

由香里は斉木の顔を見る。

とたんに彼は嬉しそうに顔をほころばせる。

「仕事ですからね。でも由香里さんは別だ……。」
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