大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
社長と私
週が明けて月曜日。
「おはようございます。」
「おはよう。金曜日は大変だったみたいだね。」
由香里が出社すると、何時も誰よりも早く会社に来ている上司の鈴木本部長がにこやかにほほ笑んでいた。
もうすぐ37歳になるというのにどう見ても20代後半にしか見えない童顔に、にっこり微笑まれたら何にも知らない女子はコロッと騙されるだろう。
「なんで、本部長が知ってるんですか?…金曜日、打ち合わせで早く帰られましたよね?」
「僕には秘密の情報網があるんだよ。」
鈴木は目じりを下げて業務中には絶対に見せない意地悪そうな顔でにっこりとほほ笑む。
彼女が最近知った、ちょっと裏のある鈴木専務の笑い。
由香里は配属された当初は部署で新人ということもあってどうやったら営業本部長の鈴木より早く出社することができるのかとひそかに闘志を燃やしていた。
でも最近では、どれだけ彼女が早い出社をしても必ず社内に一番乗りしてくる鈴木と朝の早い時間に二人だけでするあいさつが日々の日課になっていた。
「あ、今日から新社長が来られるからよろしくね。」
「新社長ですか?」
テレオペ時代は同じ本社とはいえフロアも違ったため社長と会う機会など全くなかった由香里だが、営業部に配属されてからはドアを隔てて隣に社長室があるため何度か社長とも顔を合わせたことがあった。
最近体調を崩したということで、差し支えない業務は鈴木本部長が代行して行い、社長はしばらく休養している。
「ああ、やはり少し長引きそうだという事でね。アメリカ支社で修行していたご子息が帰ってくるんだよ。どうしても会長…あ、元社長の事だけど、彼じゃないと困るもの以外は新社長の判断に任せるらしい。ま、暫くは僕が補佐につくことになるけどね。」
「おはようございます。」
「おはよう。金曜日は大変だったみたいだね。」
由香里が出社すると、何時も誰よりも早く会社に来ている上司の鈴木本部長がにこやかにほほ笑んでいた。
もうすぐ37歳になるというのにどう見ても20代後半にしか見えない童顔に、にっこり微笑まれたら何にも知らない女子はコロッと騙されるだろう。
「なんで、本部長が知ってるんですか?…金曜日、打ち合わせで早く帰られましたよね?」
「僕には秘密の情報網があるんだよ。」
鈴木は目じりを下げて業務中には絶対に見せない意地悪そうな顔でにっこりとほほ笑む。
彼女が最近知った、ちょっと裏のある鈴木専務の笑い。
由香里は配属された当初は部署で新人ということもあってどうやったら営業本部長の鈴木より早く出社することができるのかとひそかに闘志を燃やしていた。
でも最近では、どれだけ彼女が早い出社をしても必ず社内に一番乗りしてくる鈴木と朝の早い時間に二人だけでするあいさつが日々の日課になっていた。
「あ、今日から新社長が来られるからよろしくね。」
「新社長ですか?」
テレオペ時代は同じ本社とはいえフロアも違ったため社長と会う機会など全くなかった由香里だが、営業部に配属されてからはドアを隔てて隣に社長室があるため何度か社長とも顔を合わせたことがあった。
最近体調を崩したということで、差し支えない業務は鈴木本部長が代行して行い、社長はしばらく休養している。
「ああ、やはり少し長引きそうだという事でね。アメリカ支社で修行していたご子息が帰ってくるんだよ。どうしても会長…あ、元社長の事だけど、彼じゃないと困るもの以外は新社長の判断に任せるらしい。ま、暫くは僕が補佐につくことになるけどね。」