大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】



「……おはようございます。」

由香里は少々遅めの出勤だった。

あの後、西園寺にたっぷりお仕置きをされ、実はさっきまでホテルで一緒にいた。

出勤の準備くらい此処からでもできると駄々を捏ね始めた西園寺を無視して自宅に帰り、由香里は身支度を整えて出社したのだ。

「由香里ちゃん、すっきりした顔してるね。西園寺と仲直りした?」

「………。」

「真っ赤になっちゃったら、言わなくても分かっちゃうよん。」

鈴木は自分の事のように嬉しそうにしている。

「じゃ、移動の話は無しだね。」

「………っあ。」

忘れていた。

そう言えばどうするのだろう。

「その話……どうなるんでしょう。」

昨日あれだけ一緒にいたのに、肝心な事は何にも聞いていない。

というか、話をさせてもらえなかったのだが……。
< 134 / 245 >

この作品をシェア

pagetop