大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
駅に着くと直ぐに電車が来た。

次の駅で降りて駅前のロータリーのところに病院があるので何とか間に合いそうだ。

剛は安堵のため息をついて何気なく電車の窓から外を眺めた。

既に駅が近づいていて木崎医院が見えた。

入り口近くに女性が立っているのが見える。

「……志水?」

もう一度見ようとしたら電車が駅に入ってしまった。

剛は仕方なく電車を降りると改札を出でロータリーへ続く階段を下りて行く。

やはり彼女の様だ。

剛は歯医者が嫌いだと涙を浮かべていた彼女の顔を思い出した。

まさか、待合室すら駄目なのか?

剛は呆れてしまった。

一体過去に何があったらこんなに歯科医院が嫌いになれるのだ。

時間ぎりぎりまで入口をうろうろしている志水の脇を、剛は駆け足で通り過ぎるのだった。
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