大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
遅くなってしまったが一旦会社に戻ってきた剛は、彼を待ちかまえていた誠につかまった。
「ちょっと聞きたいんだけど……?」
「アメリカの件でしたら、明日にも終わらせますよ?」
てっきりその事かと思って誠の脇をすり抜けようとした剛は、珍しく腕を掴まれた。
「そんな事じゃなくて、由香里ちゃん。」
剛の体がビクッと震えた。
「さっきまで此処で、ずっと泣いていたんだけど。」
「なんで……?」
剛には心当たりが本当になかった。
「分からない? 君の言葉で泣いていたんだよ?」
問い詰めるような誠の眼差しが剛に突き刺さる。
此処を出るときに言った言葉は覚えている。
剛の思い付きだが、綾瀬がチームを立ち上げるのは時間の問題だ。
だからこそ、訳が分からなかった。
片思いの相手のチームに入れるのだ。
ずっと営業に戻りたいと言っていたではないか。
「志水はなんで泣いていたんですか?」
きっと誠の事だから理由を聞き出しているに違いなかった。
「それは西園寺が、考えないと……。」
剛を見つめる誠の顔が優しくほほ笑む。
………ああ、今日も眠れないかもしれない。
彼の中で彼女の存在はますます不可解なものになっていった。
「ちょっと聞きたいんだけど……?」
「アメリカの件でしたら、明日にも終わらせますよ?」
てっきりその事かと思って誠の脇をすり抜けようとした剛は、珍しく腕を掴まれた。
「そんな事じゃなくて、由香里ちゃん。」
剛の体がビクッと震えた。
「さっきまで此処で、ずっと泣いていたんだけど。」
「なんで……?」
剛には心当たりが本当になかった。
「分からない? 君の言葉で泣いていたんだよ?」
問い詰めるような誠の眼差しが剛に突き刺さる。
此処を出るときに言った言葉は覚えている。
剛の思い付きだが、綾瀬がチームを立ち上げるのは時間の問題だ。
だからこそ、訳が分からなかった。
片思いの相手のチームに入れるのだ。
ずっと営業に戻りたいと言っていたではないか。
「志水はなんで泣いていたんですか?」
きっと誠の事だから理由を聞き出しているに違いなかった。
「それは西園寺が、考えないと……。」
剛を見つめる誠の顔が優しくほほ笑む。
………ああ、今日も眠れないかもしれない。
彼の中で彼女の存在はますます不可解なものになっていった。