大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
「あの……。やっぱやめませんか?」

由香里は寝不足の目を西園寺に向けた。

「此処まで来て何を言っている? 大体次にやるとしたら、何時になるか分からないぞ。」

社長をしている彼には休日だからと言って休んでいる時間はあまりないのだ。

抜歯をすると言ってからかれこれ3カ月は経っていた。

「だから……別に痛くないし、やらなくても良いんじゃないかと……思いません?」

由香里はあえてニコッと笑って言ってみる。

彼を木崎先生という『歯科医』だと思っていた時は、医者にそんなことを言うのは憚られていたが、付き合い始めた今なら『恋人からのお願い』という事で言えるような気がして彼女は、昨夜目不足になるまで考えていた事を口にしてみた。
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