大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
「お前は馬鹿か?」
辛辣な西園寺の言葉が由香里に突き刺さる。
「いいか? 親不知がこのまま伸びて来て奥歯を圧迫し始めたら、まず歯と歯の間に食べ物の残りかすがついて『虫歯』のもとになる。」
ゾクッ。
歯を削る嫌な感覚が脳裏をかすめる。
「次に、親不知の周りの隙間に雑菌が入るので歯茎が腫れる。これはとても痛いぞ。」
ゾクゾクッ。
由香里の背筋に冷たい物が更に走った。
「腫れてしまえば、処置の際の切り口から血が止まらない為に、すぐに抜歯をするわけにもいかないから腫れが引くまで数日その痛みを我慢してもらわなくてはならない。そして……。」
「もう良いですっ!!」
由香里はこれ以上聞いていられなくなって、容赦なく彼女の発言を責め立てる彼の話を止めた。
「ごめんなさい、私が悪かったです。もう、やめたいなんて言いません。今すぐ、抜いてください。」
由香里の必死のお願いに西園寺は満足そうにほほ笑む。
付き合い始めてから彼は更に由香里に意地悪になった気がする。
あまり素を見せない彼からしてみればそれは最高の愛情表現だが、彼女からしてみれば大迷惑な状況でしかない。
「まあ、麻酔医が来るまでもう少しあるが先に事前の処置を始めようか。」
彼は、ついに観念した由香里を診療室へと連れて行くのだった。
辛辣な西園寺の言葉が由香里に突き刺さる。
「いいか? 親不知がこのまま伸びて来て奥歯を圧迫し始めたら、まず歯と歯の間に食べ物の残りかすがついて『虫歯』のもとになる。」
ゾクッ。
歯を削る嫌な感覚が脳裏をかすめる。
「次に、親不知の周りの隙間に雑菌が入るので歯茎が腫れる。これはとても痛いぞ。」
ゾクゾクッ。
由香里の背筋に冷たい物が更に走った。
「腫れてしまえば、処置の際の切り口から血が止まらない為に、すぐに抜歯をするわけにもいかないから腫れが引くまで数日その痛みを我慢してもらわなくてはならない。そして……。」
「もう良いですっ!!」
由香里はこれ以上聞いていられなくなって、容赦なく彼女の発言を責め立てる彼の話を止めた。
「ごめんなさい、私が悪かったです。もう、やめたいなんて言いません。今すぐ、抜いてください。」
由香里の必死のお願いに西園寺は満足そうにほほ笑む。
付き合い始めてから彼は更に由香里に意地悪になった気がする。
あまり素を見せない彼からしてみればそれは最高の愛情表現だが、彼女からしてみれば大迷惑な状況でしかない。
「まあ、麻酔医が来るまでもう少しあるが先に事前の処置を始めようか。」
彼は、ついに観念した由香里を診療室へと連れて行くのだった。