大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】

次の日、由香里が目を覚ましてリビングへ行くと西園寺は休日なのにもかかわらず既にスーツを着てソファで新聞を読んでいた。

由香里は西園寺のその姿を見て一瞬怪訝な顔をしたが、すぐさま今日オープンの店舗がある事を思い出した。

確か、西園寺が挨拶に行くはずなのだ。

「ごめんなさい、お仕事があるのに泊っちゃって……。」

由香里がちょこんと向かいのソファーに腰をかける。

西園寺が由香里の分のコーヒーを注いでくれた。

「……男物のパジャマを着る由香里というのはなかなかそそるな。」

手を伸ばしてコーヒーを受け取った由香里の耳元で西園寺がそっと囁いた。

恥ずかしさにコーヒーが入ったカップを落としそうになる。

西園寺は改めて由香里がカップをしっかり握ったのを見届けると自分はコーヒーを飲みほして立ち上がった。

「俺はこれから出かけてくるから、適当に鍵をかけて家に帰れ。」

自分も行く…と言おうとした由香里だが自分の顔の状態を考えると一緒にいるわけにはいかなかった。

そろそろ夕べ飲んだ鎮痛剤もキレてくる頃なので確かに自宅に帰って安静にした方がよいだろう。

由香里は西園寺を見送ると2つのお揃いのコーヒーカップを洗って家路についた。