大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】

こうやって近くで見ると背格好は似ているがパーツは少し似ている程度の女性だった。

「な？　お前に似ているだろ？」

咲人は隣の女性に向かって同意を求めている。

「ええ、本当に。」

口元に手を当ててコロコロと笑う女性は由香里を見てにっこりとほほ笑んだ。

「咲人さんに初めて声をかけられた時は、ナンパかと思いましたがこれでは間違えられても仕方がありません。」

彼女は松下紗江子。

みのり出版という出版社の社長令嬢らしい。




由香里がどういう事かと咲人に聞くと、昨年由香里と間違えて街で声をかけてしまった事から２人の付き合いが始まったのだと言う。

勿論その時はまだ由香里と付き合っていたからほんの軽い気持ちでの付き合いだったのだが、時間がたつにつれ傍にいない由香里よりも近くにいる彼女を選んだというのだ。