大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】

「大体、お前も今付き合っている人がいるって言うじゃないか。それも上司だって聞いたぞ。」

咲人は２人の共通の知り合いから聞いたという。

別に内緒にしたかったわけではないが何となく自分が軽い女に見られるみたいで
彼に知られるのは心苦しかった。

「あら、今度は社長さんとお付き合いされる事にしたのですか？それなら、忙しくても振られませんものね。」

由香里はその嫌味な言い方に目を疑った。

表情は先程と変わらずニコニコしているのになぜか自分に向けられる敵意。

口元は笑っているのに眼は由香里を睨んでいるようだった。

咲人も慌てている。

「な、何を言ってるんだよ。さあ、行こう。」

彼は紗江子を促すと由香里に『ごめん』と再度誤って反対方向へと歩いて行ってしまった。