大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】

「こんにちは、由香里さん。」

由香里の隣に遅れてきた男性が座った。

聞き覚えのある声に由香里が首をかしげると人懐こい顔をしたその青年がニコッと笑った。

「赤城と言います。電話では何度かお話ししましたよね。」

「あ、赤城さんですか！」

会議中なので小声だが、由香里は弾んだ声で名前を呼んで改めて彼を見た。

前回の事件の時にロスとの連絡先として何度か彼とはやり取りをした事があったのだった。

由香里と同い年だと言っていた彼は少し童顔とも思えるくらい可愛らしい顔をしていた。

以前、電話で話した時に自分は帰国子女で帰国してわざわざ日本の企業に就職したのに結局ロス支社に転勤して長い事アメリカ暮らしが続いてヘキヘキしていると豪快に愚痴をこぼしていたのを思い出す。

軽快な会話のやり取りについワイルドなタイプを想像していた由香里は想像とのギャップについ吹きだしてしまった。