大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】

流石に彼のもうひとつの名前を言っても知らないだろう。

由香里はかいつまんで二人の出会いを話した。

「へえ、由加里ちゃんは『歯科医』の西園寺と『社長』の西園寺に惚れて、西園寺は『歯科医』の自分に嫉妬して挙句に由加里ちゃんが別に人を好きだと勘違いして諦めようとしたんだ。」

赤城はコーヒーを飲みながら笑いをこらえているのか小刻みに肩を震わせていた。

「うん……後で聞いたけど、あの時社長は私の事をなんとかしたくてかなり必死だったみたい……。」

西園寺に当時のことを聞いた由香里はすごく驚き、同時にそこまで思われていたことにとても感激したのだった。

「あ、ごめんなさい。そんなこと赤城さんには関係なですよね。」

由香里はつい余計なことまで話してしまい、恥ずかしくなって下を向く。

「いえいえ、アツアツだな～と思って。これじゃあこうやって二人で出かけたのを知られたら大変だ。僕、警戒されてるでしょ？」

赤城が由香里に向かってニコッと笑った。